非米国居住者向けに展開へ
米大手暗号資産(仮想通貨)取引所クラーケン(Kraken)よりトークン化された米国株式が提供されることが5月22日に発表された。同取り組みは、株式やETFなどの金融資産をトークン化するサービスを提供するバックド(Backed Finance AG)およびソラナ財団(Solana Foundation)との提携により行わる。
Backedは、ソラナブロックチェーン上で、SPLトークン規格を用いた米国上場株式およびETFのトークン化資産を展開する。これらの資産は、米国外の特定市場において、クラーケンのアプリを通じて対象顧客に直接提供される予定だ。
またBackedは、株式をトークン化する新ブランド「xStocks」を非米国居住者向けに展開するとのこと。具体的にはヨーロッパ、ラテンアメリカ、アフリカ、アジアの一部地域で提供される予定だという。
Backedによる「xStocks」では、アップル(Apple)、テスラ(Tesla)、グーグル(Google)、メタ(Meta)など米国主要企業55銘柄超の株式やETFがトークン化の対象となる。クラーケンは、「xStocks」の最初のローンチパートナーだ。
なお「xStocks」は、ソラナのDeFiアプリケーションとも統合されるため、ユーザーは従来の証券会社を介さずにそれら資産にアクセスできるようになる。またユーザーは、「xStocks」をDeFiプロトコルで担保としての使用や貸し出しに利用できる。
クラーケンが「xStocks」のローンチチェーンとしてソラナを選んだ理由については、「比類ないパフォーマンス、低遅延、そして活況を呈するグローバルエコシステム」だという。
クラーケンのグローバル・コンシューマー部門責任者であるマーク・グリーンバーグ(Mark Greenberg)氏は、「伝統的な米国株式へのアクセスは、依然として遅く、高コストで制限されている。私たちは『xStocks』を通じて、ブロックチェーン技術を活用し、オープンで即時的、アクセス可能で国境を越えた、アメリカを代表する企業への投資機会という、より良い形を提供する。これこそが投資の未来の姿だ」と述べている。
またBackedの共同創業者であるアダム・レヴィ(Adam Levi)氏は、「xStocks」が中立的な公共財として設計されており、今後はクラーケン以外の取引所やブロックチェーンにも展開していくことを期待していると述べた。
クラーケンは2025年4月、米国居住者向けに1万1,000件を超える米国上場株式およびETFの取引を開始しており、今後は英国、欧州、オーストラリアのユーザーへの拡大も計画している。
クラーケンとBackedは今後、ソラナ以外のブロックチェーンを活用したトークン化株式の展開も模索していく方針だ。
参考:発表
画像:PIXTA