イーサリアムL1の進化と「分散型加速」に焦点
イーサリアム(Ethereum)共同創業者のヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏が、2025年に自身がイーサリアムに対し注力する分野を、4月30日にXにて発表した。
ブテリン氏がコミットするとしたイーサリアム関連の重点領域は、「レイヤー1(L1)の長期的なロードマップ」と、「セキュリティ・オープンソース・プライバシーの確保」の2点である。
具体的には、単一スロットでのファイナリティ(確定性)、長期的な仮想マシン(VM)の設計、ステートレス化、L1のセキュリティおよび分散性の向上に取り組むとした。また、アプリやウォレットといったアプリケーション層(上位レイヤー)も含めて、中央集権に依存せず、安全かつプライバシーに配慮されたイーサリアムの実現を目指すと述べた。
さらにブテリン氏は、「分散型加速(decentralized acceleration:d/acc)」という概念にも取り組む意向を示した。
この分野では、分散型SNSや公共財の資金調達などといったコミュニケーションツールや情報レイヤーの設計や、ガバナンス・メカニズムの設計、暗号技術・OS・ハードウェア・バイオディフェンスなどの基盤研究も重点対象に掲げらている。
一方でブテリン氏は、自身が比較的関与していないものの重要と認識している分野として、L1の短期的スケーリングや、P2P通信・ブロック構築などの研究分野、イーサリアム財団(Ethereum Foundation:EF)の運営、DeFiや支払い・貯蓄といった既に実証済みのアプリケーション領域などを挙げている。
EFは4月21日、リーダーシップ体制の再編を受けて、研究開発の優先順位を見直すことを発表。その際にブテリン氏が、今後は研究に専念することが発表されていた。