「XAUt」のオムニチェーン版、「XAUt0」がリリース
オムニチェーン対応ステーブルコイン「USDT0」の公式Xより、「テザー・ゴールド(XAUt)」のオムニチェーン版トークン「XAUt0」のリリースが6月2日に発表された。
「XAUt」は、ブロックチェーン上で金の保有や送金を容易にする目的で発行されている、実物の金(ゴールド)に裏付けられたステーブルコインだ。ステーブルコイン発行企業テザー(Tether)社が2020年1月より発行開始している。
今回のリリースされた「XAUt0」は、ユーザーが物理的に裏付けられたインフレ耐性資産を保有しながら、デジタル資産の完全な組み合わせ可能性や金融イノベーションを活用できる仕組みを提供するという。
「XAUt0」は、オムニチェーンプロトコル「レイヤーゼロ(LayerZero)」の「オムニチェーンファンジブルトークン(Omnichain Fungible Token:OFT)」規格を採用しており、これにより「XAUt0」はラッピングやミドルチェーンなしに異なるブロックチェーン間の転送ができるという。
また「XAUt0」は、これまでビットコインが「デジタルゴールド」と例えられてきたのに対し、物理的な裏付けを持つ「本物のデジタルゴールド」だと位置づけられている。「XAUt」の特徴を受け継ぎつつ、オムニチェーン対応という設計思想を加えることで、物理的な金の保有に比べ、より高い利便性と柔軟性を実現している点が特徴だ。
従来の金市場では、週末や祝日には取引が停止するが、「XAUt0」であれば24時間365日、いつでも売買や貸付、その他の活用が可能となる。ユーザーは自己管理可能なデジタルウォレットを通じて、安全かつ手間のかからない形で、金の経済的価値にアクセスできる。さらに、「XAUt0」は極小単位での保有や取引が可能であり、担保としての利用やポートフォリオの分散といった金融的な活用にも適している。
また、「XAUt0」は「XAUt」との交換にも対応しており、「XAUt」の裏付けされた金が保管されているスイス国内の住所から、現物の金として引き出すこともできるという。
なお、「XAUt0」の最初の導入先は、メッセージアプリ「テレグラム(Telegram)」のブロックチェーン「The Open Network(TON)」だ。テレグラムのウォレット機能を通じて、数億人のユーザーがアクセス可能になる見込みだ。
「USDT0」は、イーサリアム(Ethereum)ネットワーク上に発行された米ドル建てステーブルコイン「USDT」と1:1の価値を維持するステーブルコインだ。「USDT0」および「XAUt0」は、「USDT」などのステーブルコイン発行企業テザー(Tether)社の子会社であるエバーダウンラボ(Everdawn Labs)が発行・管理・運営している。
また3月28日には、「USDT0」の「OPメインネット」対応開始および「スーパーチェーン」への対応を進めることが発表された。
現在「USDT0」は、ユニスワップラボ(Uniswap Labs)開発の独自ブロックチェーン「ユニチェーン(Unichain)」と「OPメインネット」、同じく「スーパーチェーン」エコシステムの「インク(Ink)」。そして「ベラチェーン(Berachain)」、「アービトラム(Arbitrum)」を含む10のブロックチェーンで利用可能となっている。
XAUt0 is here.@tethergold laid the groundwork for onchain gold. Now, it accelerates.
— USDT0 (@USDT0_to) June 2, 2025
The most trusted gold-backed asset will be available on the world’s leading blockchains via a unified, frictionless liquidity layer – starting now with @ton_blockchain.
Your XAUt, anywhere. pic.twitter.com/Nde0z29BJd
参考:発表
画像:PIXTA