24時間体制でBUIDLとUSDtbのアトミックスワップが可能に
米ドルステーブルコイン「USDtb」の開発元Ethena Labs(エセナラボ)とRWA(現実世界資産)のトークン化企業Securitize(セキュリタイズ)が、BlackRock(ブラックロック)のトークン化ファンド「BUIDL」と「USDtb」の間で24時間365日利用できるアトミックスワップ(資産の同時交換)を可能にしたと6月18日に発表した。
この統合により、オンチェーンドルへのアクセス性能が向上し、機関投資家やDeFi(分散型金融)ユーザーの利便性が大幅に強化されるという。
今回の統合により適格なユーザーは、Securitizeの「USDtb」流動性ファンドを経由してパーミッションレスで「BUIDL」から「USDtb」へのスワップを24時間365日実行できるようになる。この機能は、リアルタイム決済とともに追加の流動性確保や、「USDtb」の統合を通じた幅広いDeFiおよび中央集権金融(CeFi)戦略へのアクセスを可能にするという。
「BUIDL(BlackRock USD Institutional Digital Liquidity Fund)」は、2024年3月にローンチされたパブリックブロックチェーン上で最大のトークン化国債ファンドだ。同ファンドは同年3月に10億ドル(約1,453億円)の運用資産を突破した初の機関グレードオンチェーンファンドでもある。DeFi Llamaのデータによると、「BUIDL」の総価値ロック(TVL)は28億8,000万ドル(約4,185億円)に達している。
「USDtb」は主にBlackRockの「BUIDL」によって裏付けられたステーブルコイン。現在14億ドル(約2,034億円)以上の供給量を持ち、DeFiとCeFi全体で広く統合されている。「USDtb」の準備金のうち90%を「BUIDL」が占めており、「USDe」とは異なるリスクプロファイルを持つ利回り付き資産の提供を目指している。
なお「USDe」は、ステークされたイーサリアム(ETH)とスワップマージンを使用して利回りを生成する貯蓄債券とデリバティブを担保とするEthereum(イーサリアム)ベースのステーブルコインだ。
「USDtb」は現在、すべての関係者が自由に転送可能で、海外大手暗号資産取引所のBybit(バイビット)では5%のマージンヘアカット(担保価値の割引評価)で報酬付きマージン担保として利用できる。また、ホワイトリストに登録された関係者は、資産の可用性に応じてUSDC、BUIDL、USDTとの間で24時間365日のミントおよび償還が可能とのことだ。
今年3月には、SecuritizeとEthena Labsが共同開発した、トークン化資産向け機関投資家グレードのEVMチェーン「Converge(コンヴァージ)」のリリースが発表された。
なお「USDtb」は最近、Bybit、Aave、Euler Financeで担保として統合されており、今後他の主要プロトコルや取引所での統合も予定されている。
We’re excited to be launching the USDtb Liquidity smart contract in collaboration with @Securitize and BlackRock BUIDL
— Ethena Labs (@ethena_labs) June 18, 2025
This product makes USDtb the stablecoin liquidity pair for all BUIDL users to atomically swap BUIDL for USDtb instantly onchain 24/7/365 https://t.co/VzN2RpI6qv pic.twitter.com/wofa5CyU74
画像:iStocks/justinroque
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