タイ政府が特定サービスと暗号資産の連携を検討、Gトークン導入で個人投資家の参加促進へ

タイ政府が特定サービスと暗号資産の連携を検討

タイ政府が、将来的に特定のサービスと暗号資産(仮想通貨)を連携させる可能性があることを、「バンコクポスト(Bangkok post)」が5月27日に報じた。同日開催された投資セミナーにおいて、同国のピチャイ・チュンハワジラ(Pichai Chunhavajira)財務大臣が言及したという。

報道によるとピチャイ財務大臣は、現時点でタイにおいて商品購入などに暗号資産を利用することが認められていないと説明したとのこと。他国では、商品購入に暗号資産の使用が認められており、また暗号資産をクレジットカードと連携させる仕組みが採用されていると述べたとのこと。

このような仕組みでは、クレジットカード会社が暗号資産取引所などのプラットフォームを通じて暗号資産を換金し、販売者は現地通貨で代金を受け取ると説明したという。

今年1月には、タイ・プーケットで外国人観光客を対象に、暗号資産による決済の試験運用を開始予定であることが、現地メディア「ザネーション(The Nation)」により報じられていた。

この試験運用では、外国人観光客がタイの暗号資産取引所を通じて本人確認を行い、その後ビットコイン(BTC)を購入。購入したBTCを用いてプーケットの店舗で商品を購入できる仕組みとなっている。決済が完了すると、使用されたBTCはタイの決済業者を通じてタイバーツに換金されるという。

さらに、ピチャイ財務大臣は今回開催されたセミナーで、財務省が発行を予定しているデジタル投資トークン「Gトークン」についても言及したとのこと。ピチャイ財務大臣によれば、タイ政府は個人投資家が政府債にアクセスできるよう「Gトークン」の導入を推進していると述べたという。

また「Gトークン」は、小数点以下最大6桁までの単位で購入することが可能で、銀行預金よりも高い利回りが期待されていると説明したとのこと。さらに「Gトークン」の発行は、タイ国債の国際的な認知度向上にもつながると語ったとのことだ。

今月18日には、タイ財務省が今後2カ月以内に約50億バーツ(当時約1億5,000万ドル/約2,190億円)相当の「Gトークン」を市場テストに向けて発行する予定であることを、「バンコクポスト」が報じていた。

当時の報道によれば、「Gトークン」は政府が定めた年度予算の執行に必要な資金を国民から調達するために用いられるが、従来の国債や政府保証債のような債務とは異なり、投資トークンとして位置付けられるとされている。

また「Gトークン」は暗号資産ではないものの、認可を受けたデジタル資産取引所での取引が可能になる見通しとのこと。

ピチャイ財務大臣は「Gトークン」の導入により、より多くの個人投資家がデジタル経済に参加できるようになると述べたという。また同トークンは100バーツ(当時約438円)から購入可能であり、銀行預金よりも高い利回りが期待されているとのことだ。

参考:Bangkok post
画像:iStock/seungyeon-kim・antoniokhr

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一本寿和

「あたらしい経済」編集部
記事のバナーデザインを主に担当する他、ニュースも執筆。
「あたらしい経済」で学んだことを活かし、ブロックチェーン・NFT領域のバーチャルファッションを手がけるブランド「JAPAN JACKET」を2021年10月より共同創業。

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