リパブリックがスペースXのトークン化株式を提供
米グローバル金融企業のリパブリック(Republic)が、非上場企業の株式の価値に連動するトークンの投資機会を提供する「ミラートークンズ(Mirror Tokens)」の導入を6月26日に発表した。
同プロダクトでは、イーロン・マスク(Elon Mask)氏率いるスペースX(SpaceX)の株式のパフォーマンスを反映するトークン「rSpaceX」から提供開始されている。なお同トークンへの申し込みは締め切られ、現在はウェイトリストが公開されている。今後はストライプ(Stripe)やレボリュート(Revolut)、X、ディスコード(Discord)など20社以上が同プロダクトの対象になる予定だ。
「ミラートークンズ」で提供されるトークンは、レイヤー1ブロックチェーンのソラナ(Solana)上にミント(発行/鋳造)されている。
通常、米国など一部の国では、非上場企業の株式へ投資するには、多額の出資に加え、一定の収入や純資産などの要件を満たす必要がある。このため、機関投資家や富裕層に限定されることが一般的である。同プロダクトでは、こうした非上場企業の株式への投資を、「Reg CF(Regulation Crowdfunding)免除」の制度により、一般投資家向けに提供を可能にしたという。同プロダクトではわずか50ドルから最大5,000ドルでトークンが購入できるようになっている。24時間365日、取引が可能だ。
「Reg CF免除」は、米国証券取引委員会(SEC)が定める証券の登録義務の例外規定の1つで、未登録証券の公募をクラウドファンディングの形で合法的に行うことを認める制度である。
そのため「rSpaceX」等の「ミラートークンズ」で提供されるトークンは、対象の非公開企業の株式のパフォーマンスを反映するよう設計された債務証券であり、株式に直接投資するものではない。リパブリックとしてもトークン提供にあたり、スペースXやその他企業からの承認は不要としている。
購入したトークンの対象企業がIPOや買収などの適格イベントを達成した際に、トークン保有者はリパブリックより、購入日以降の普通株式の価値に相当する金額と発生した配当金が比例配分されて受け取れるようになっている。
なおトークンは発行後12カ月間、転売や譲渡がロックされるとのこと。ロック解除後にリパブリックのセカンダリーマーケットにおいて、トークン取引が可能になる予定だという。
セカンダリーマーケットは、、現在リパブリックが買収を進めているデジタル証券および暗号資産(仮想通貨)の取引プラットフォームINXが予定されている。
今年4月、リパブリックはINXとの間で最大6,000万ドル(約88億円)となる買収契約を締結しており、8ヶ月以内に買収が完了する予定だと発表していた。
リパブリックは2016年設立の米ニューヨークに拠点を置くグローバル金融企業だ。
同社は、投資家がスタートアップ企業に最低10ドルから投資できるプラットフォームを提供しており、ユーザーは不動産や暗号資産、ブロックチェーンプロジェクト、ゲーム開発企業などに投資を行える。
また同社は、ベンチャーキャピタルのギャラクシーインタラクティブ(Galaxy Interactive)や大手金融機関のモルガンスタンレー(Morgan Stanley)などから支援を受け、1,500社以上の企業と100カ国以上から集まった約300万人のユーザーを有しているという。現在同社は米国をはじめ、英国、アラブ首長国連邦(UAE)、韓国、シンガポールで事業展開を行っている。
Hey @elonmusk – 9 years in the making, we have democratized finance. Vox populi, vox dei. SpaceX exposure for all.
— Republic (@joinrepublic) June 25, 2025
🔓Unlock access: https://t.co/FYnIJAXEHG https://t.co/Q91ZdWNPv5
参考:プレスリリース・リパブリック
画像:iStocks/PIXTA